会長挨拶


 皆様、平素より日本救急救命学会の活動にご理解とご支援を賜り、心より御礼申し上げます。この度、「第11回日本救急救命学会学術集会」を国士舘大学世田谷キャンパスにて開催させていただくこととなりました。本大会の開催にあたり、多くの方々のご尽力とご協力に深く感謝申し上げます。

 

 救急救命士を取り巻く環境は、救急救命士法改正による救急救命処置の実施の場の拡大、救急救命処置の内容の拡大、救急需要の増加による救急車の現着時間の延伸、DNARの問題、働き方改革など、劇的に変化しています。

 

 この背景を踏まえ、本大会のテーマを「専門性の深化と進化 −救急救命士のprofessionality−」としました。このテーマは、私たち、救急救命士が今直面している課題とその先にある可能性を象徴しています。救急救命士は、国民の生命を守る最前線に立ち、その専門性がますます重要視されています。私たちの専門性は単に現在の知識と技術を維持するだけではなく、常に深化させ、社会の変化に対応して進化する必要があります。その先に時代のニーズに応えられる、救急救命士のprofessionality(真価)が発揮できるものと確信しております。本学術集会では、救急救命士の役割や責任、さらなる専門的技術・知識の向上、そして新たな時代の課題への対応策について、幅広い視点から議論を深めていきたいと考えています。

 

 今回の学術集会は、現地開催を基本とし、国士舘大学世田谷キャンパスメイプルセンチュリーホールで皆様をお迎えすることを予定しております。また、現地での参加が難しい方々にも、リアルタイムでウェブ配信を通じてご参加いただけるよう、一部のプログラムをオンラインで提供いたします。これにより、全国各地の多くの皆様に本学術集会にご参加いただき、議論や知識の共有をしたく思っております。

 

 また、本学術集会は、救急救命士だけでなく、様々な職種の医療従事者、研究者、教育者、行政関係者など、多くの分野の専門家が一堂に会し、互いの知識や経験を共有する貴重な機会となることを願っております。異なる視点を交えた議論を通じて、救急救命士の将来像や、今後必要とされる体制や教育の在り方について新たな知見を得られる場となることを強く期待しております。

 

 最後に、本学術集会が、皆様にとって有意義な学びと交流の場となり、救急医療の現場での実践に還元できる成果を得られることを心より願っております。これからも救急救命士の専門性の向上に向けた取り組みを継続し、社会の安心・安全に寄与してまいりたいと考えております。

 

 どうぞ、第11回日本救急救命学会学術集会にご期待いただき、積極的なご参加をお願い申し上げます。皆様のご参加を心よりお待ちしております。

第11回日本救急救命学会 学術集会 会長

(国士舘大学体育学部スポーツ医科学科 准教授)